

日本のいちばん長い日 予告篇95秒
半藤一利の同名作品をもとに、
鈴木貫太郎への大命降下から8月15日の玉音放送までを描いた作品です。
岡本喜八監督で1967年に製作されています。
岡本監督版はタイトル通り
8月14日から15日の玉音放送までの24時間が扱われています。
(アバンタイトルで約20分、
ポツダム宣言受諾決定までの過程が説明されています)
終戦を阻止するために陸軍の一部が行った
録音盤奪取(クーデター)未遂事件が中心です。
2011-0106
2015年版(原田眞人監督版)では
日本を終戦に導いた鈴木貫太郎がメインになっています。
侍従長として昭和天皇に仕えていた鈴木海軍大将。
侍従武官として鈴木の同僚だった阿南惟幾陸軍大将。
鈴木と阿南の信頼関係を軸に、
昭和天皇の終戦への意思を実現するため、
綱渡りのような終戦工作が行われます。
旧作のように人物紹介のテロップが出るわけではありませんが、
鈴木と阿南、そして昭和天皇が主軸でストーリーが展開するので、
話としては分かりやすくなっています。
さほど予備知識のない人でも
話の流れがわかるよう配慮された脚本です。
昭和天皇役は本木雅弘。
日本映画で天皇個人がクローズアップされるのは
「明治天皇と日露大戦争」の嵐寛寿郎以来ではないでしょうか。
渡邉邦男監督『明治天皇と日露大戦争』(1957) 予告篇
海軍軍令部次長の大西瀧次郎が
「2000万人が特攻すれば必ず本土決戦に勝利します」と
米内海軍大臣に進言するシーンは旧作と同じですが、
戦争継続派の狂気を典型的に表したセリフです。
本土決戦を主張し、森近衛師団長を殺害した
畑中少佐を演じるのは松坂桃李。
「思いつめたシンケンレッド」といった面持です。
旧作では黒沢年男が激情家で「目がイッちゃってる人」として
狂気の青年将校を演じていましたが、
松坂桃李は「生真面目すぎて過激な方向に走った人」として描かれています。
これは時代の変化なのでしょうか。
岡本喜八版の方がマニアックな意味で面白いのですが、
原田眞人版の方が話としては理解しやすくなっています。
夏休み映画としては必見です。
(なぜか福本清三先生がワンシーンだけ出演されていました。)