
米沢上杉家15万石の藩主として立て直しを行った
名君・上杉鷹山の改革を描いた藤沢周平の絶筆。
上杉家は関ヶ原の戦いに敗れ、120万石から30万石に減封。
さらに御家断絶の危機を回避したものの領地は15万石に半減。
にもかかわらず120万石時代と同じ数の家臣を抱えた上に、
相次ぐ凶作などにより藩財政は疲弊の一途をたどる。
そこで改革の希望を担ったのが17歳の上杉治憲(鷹山)。
タイトルの「漆の実のみのる国」とは、
百万本の漆の植樹による産業振興のこと。
しかし、改革の成功が描かれることはなく、
長きにわたる米沢藩の疲弊と進まぬ改革の様子が淡々と続きます。
最後に隠居していた改革派の側近、
莅戸善政(のぞき よしまさ)が復帰し、
藩政改革に光明が差すところで物語は終わります。
「革命」や「維新」ではない、
ゆるやかな改革の姿こそ、今の日本に求められるものでしょう。