老書生 野崎靖仁 主席語録

協同組合 京洛商工繁栄会 副理事長 野崎靖仁、57歳。日々の思いを綴ります。

高殿円 『剣と紅 戦国の女領主・井伊直虎』

高殿円『剣と紅 戦国の女領主・井伊直虎』(文春文庫)を読む。



来年の大河ドラマの主人公・井伊直虎の生涯を描いた作品です。

遠江国井伊谷城主・井伊直盛の娘として生まれた香(かぐ)。

直盛の一人娘で男兄弟のいない香は、
直盛の従兄弟である亀乃丞を婿に迎えることとなっていた。

ところが亀乃丞の父が今川義元への謀反の疑いで切腹。
亀乃丞は信濃へと逃れ、香は出家して次郎法師と名乗る。

のちに亀乃丞は井伊直親として今川家に帰参。

すでに直親は正室を迎えていたため、
次郎法師は還俗することなく尼僧としての日々を過ごす。

桶狭間の戦いで直盛は戦死。
跡を継いだ直親も今川氏真によって殺される。

直親の子・虎松(のちの井伊直政)は幼いため、
次郎法師が直虎と改名して井伊家の当主となった。

しかし今川氏真によって井伊谷城は没収され、
直虎の従姉妹である築山殿の縁で
虎松は徳川家康に仕えることとなった。

本能寺の変があった年に直虎は生涯を閉じる。享年四十七。

時代でいえば、信長の生涯とほぼ重なります。
(信長の享年は四十九)

大河ドラマで一年続けるとすれば、
信長の生涯とシンクロさせるしかないでしょう。

この小説では信長とも家康ともほぼ接点がないので、
井伊谷という狭い世界の中で話が進んでいきます。

香(次郎法師)には
幼少のころから漠然とした予知能力があるという設定ですが、
そうとでもしないとキャラが立たない、というくらい
直虎中心では話が作りにくいキャラです。

冒頭から直政と家康の会話シーンを入れて
ストーリーに導入しやすくしています。

派手な合戦や謀略の駆け引きはありませんが、
ラノベっぽいテイストに慣れていれば楽しめるでしょう。