
来年の大河ドラマの主人公・井伊直虎の生涯を描いた作品です。
遠江国井伊谷城主・井伊直盛の娘として生まれた香(かぐ)。
直盛の一人娘で男兄弟のいない香は、
直盛の従兄弟である亀乃丞を婿に迎えることとなっていた。
ところが亀乃丞の父が今川義元への謀反の疑いで切腹。
亀乃丞は信濃へと逃れ、香は出家して次郎法師と名乗る。
のちに亀乃丞は井伊直親として今川家に帰参。
すでに直親は正室を迎えていたため、
次郎法師は還俗することなく尼僧としての日々を過ごす。
桶狭間の戦いで直盛は戦死。
跡を継いだ直親も今川氏真によって殺される。
直親の子・虎松(のちの井伊直政)は幼いため、
次郎法師が直虎と改名して井伊家の当主となった。
しかし今川氏真によって井伊谷城は没収され、
直虎の従姉妹である築山殿の縁で
虎松は徳川家康に仕えることとなった。
本能寺の変があった年に直虎は生涯を閉じる。享年四十七。
時代でいえば、信長の生涯とほぼ重なります。
(信長の享年は四十九)
大河ドラマで一年続けるとすれば、
信長の生涯とシンクロさせるしかないでしょう。
この小説では信長とも家康ともほぼ接点がないので、
井伊谷という狭い世界の中で話が進んでいきます。
香(次郎法師)には
幼少のころから漠然とした予知能力があるという設定ですが、
そうとでもしないとキャラが立たない、というくらい
直虎中心では話が作りにくいキャラです。
冒頭から直政と家康の会話シーンを入れて
ストーリーに導入しやすくしています。
派手な合戦や謀略の駆け引きはありませんが、
ラノベっぽいテイストに慣れていれば楽しめるでしょう。